望楼守の生思考

今年一年お世話になりました。また来年もよろしくお願いします。

右のカテゴリー欄が増えていることに気づいている人もいるかも知れませんが、来年は色々新しいジャンルのネタでも書こうと思ってます。

皆さんよいお年を。

ではまた。

望楼守の生思考人材育成

ダイエットをしよう
プールに通おう
英語を勉強しよう

こんな目標を立てた経験がある人は多いと思いますが、なかなか続けるのは難しいのではないでしょうか。具体的に達成目標を立てたとしても、それを達成するまで出来なかったこともあるのではないでしょうか。人間だもの、しょうがないよね。

実はコレ、会社組織内でも同じようなことがおこっている。企業において、だいたいみんな「しなくてはならない」ことっていうのは理解しているものだと思う。そして、色々と試みているのだと思います。しかし、それが長続きしないのが現実ではないでしょうか。

例えば、人材育成の観点から見れば、ある程度の人材には、なるだけ権限委譲を行って、エンパワーメントを進めた方が、成長を促進できるケースは多い。部門、あるいはチームに、自分たちで目標を立てさせ、自律的に動くことが出来るようになることを期待する。

しかしである。実際にエンパワーメントをしてみても、エンパワーメントした本人(社長や部長など、組織の規模によっても様々だろうけど)からすると、どうも頼りないし、危なっかしい。その結果、手や口を出したり、委譲した権限を取り戻してしまう。

そうなると、エンパワーメントされた側も「なんだよ、結局社長は口ばっかりで、最終的には全部ひっくり返しちゃうじゃないか」などと、腐ることになる。

なんだかんだいって、全部自分でやらないと気がすまないんだ、と社長や部長なんかを非難するのは簡単だけども、ビジネスだもの、そのプロジェクトの進捗いかんで会社の業績が左右されるかもしれないのだから、介入してくるのは当然とも言える。

ダイエットも、権限委譲、あるいは組織変革も続けるのは大変なのだ。じゃあ、そんなときどうすればいいのか。そのヒントは「ファシリテーター」である。

ファシリテーターときくと、会議の円滑な進行役というイメージを思い浮かべるかも知れないが、それはファシリテーターの仕事のひとつに過ぎない。実際のファシリテーターの役割は、プロセスをデザインして、みんなの意識をまとめあげて、成果をあげることを支援することだ。つまり、プロジェクトマネージャーの役割に近い。

先ほどのエンパワーメントの話に戻すと、権限委譲する側とされる側の間に、ファシリテーターを置いてみる。たとえば、担当部長だとか、副部長だとかにその役目をお願いしてみる。(これは明示的にお願いする場合もあれば、そのような役割を果たしてもらえるようにこっそり裏からあやつる方法がある。)

そして、彼らにプロジェクトのファシリテート、すなわちプロセスのコントロールを支援してもらう。つまり、優先して取り組むべきものはこれでいいのか、向かうべき方向、スピードはこれでいいのか、そんなところを客観的にみてもらいフィードバックをしてもらう。また、エンパワーメントした社長や部長がしびれを切らさないように、進捗状況を随時共有する。こんなことが必要なんじゃないだろうか。

周りのリソース(上司、同僚)をうまーく使うのも能力のうちですよ、と。

 

え、そんなファシリテーター役はいないって? だったら、自分がその役目をこなすしかないですよね。エンパワーメントする側がファシリテーターだったり、コーチであれば最高だけども、実際はそれって難しい。(直接の利害関係者には、アラがすぐに目についてしまうものなのだ。)それなら、エンパワーメントされる側(つまり自分自身)が、プロセスコントローラーとして、チームに貢献して、チームの成果を高めて、上長の期待に応えるしかない。つまり、それってリーダーシップを発揮しろってことですよ。

望楼守の生思考

ここ最近は、世界同時不況・同時株安のせいで、一般人(ってなんだ?)が金融商品にあまり手を出さなくなったせいか、「フィナンシャルリテラシー」って言葉を聞かなくなったけど、コレって要は次の二つの事柄に集約出来る気がするんですよ。

  • お金を銀行に預ければ利子が付く、借りれば利子がとれられる
  • ものを買うときはお金を払う、ものを売ればお金がもらえる

ファイナンスとか言っちゃって、なんかムズカシそうな印象を与えてる人いるけど、上記のような小学生でも知ってる事柄で(だいたい)全部説明できちゃいますから!

と、思った。来年はこのネタでシリーズ記事を書いてみようかな、と。

 

あと、もう一つ考えているのは、「会計学者のインチキ株式投資指南ぶった切り」ってヤツ。

 

2009年12月14日TipsX60


古い記事に来ていただきありがとうございます。今日でもお役に立てる情報かわかりませんので、最初に現在でも(ちょっぴり)役立つ情報をお知らせしますね。

知ってる人は知っているけど、知らない人は知らなくて損していることってありますよね。

そのひとつが、Amazonで3冊以上まとめて買うとAmazonポイントの還元が+3%されるって話じゃないかと思います。ちなみに、10冊以上まとめて購入だとこれに加えてさらに+4%(つまり+7%)されますし、もしプライム会員&Amazonマスターカードの場合は別に+2%〜2.5%となります。

クーポンコードはここから入手可能なので、本を買うときは忘れず使いましょう。

さて、それでは本題です。


以前、「ThinkPad X60のバッテリー突然死」という記事を書いた。以来、ちょくちょく検索エンジン経由でその記事が見られているようなので、以前の記事をふくらませ、「ある日突然、ThnkPadのバッテリーランプがオレンジに点滅しだしたら(まとめ)」と題してひとつ記事を書いてみようと思います。

望楼守の生思考

ブログ記事。

これ書くの苦手なんですよね。だって、色々書きたいことはあるけれど、なんか頭の中ごちゃごちゃしてるのをエントリーにまとめるのって、大変じゃないですか。

このブログを以前から見てくれる人なら、ちょっと前まで、どれだけ更新が滞っていたか知ってると思うけど、やっぱ更新ってぼくにとっては敷居高いんですよ。

ただそれって、一発でなんか完成度高い記事書かないとっていう変なプレッシャーみたいなものを自分にかけてたからで、ネタを小分けにして、すこーしずつ書けば、いいんじゃないなぁと。そうなんだよね、そんな壮大なエントリーを書く必要はないのかも、と。

おれってついつい思考が壮大になってしまうんだよね。。。だから、表現力がそれに追いつかない。脳内ワールドが先走りすぎちゃうってことか(笑

ってことで、ちょっとずつでも、なるべくこまめに更新するように続けていこうと思う。きっと、そうやって続けていれば、長いものも、少しずつかけるようになってくると思うんだよね。

うーんでも、読み手からしてみたら、なんかチラって書いてあって「続く」とかってものよりも、長文でまとまりのあるものの方が読み応えあるのかなぁ。。。

2009年12月10日Tips

Amazon.co.jp

書籍を購入する際、多くの人がこのサイトを利用するのではないだろうか。

検索が容易。
在庫が豊富。
家まで届けてくれる(コンビにで受け取れる)。
在庫がなくてもカウンターで取り寄せ手続きをする必要がない。
レビューでその本の評判がわかる。
洋書が安い。
中古(古本)だって買えちゃう。

などなど、非常に便利なAmazonだが、ひとつだけ問題がある。それは、ついつい買いすぎてしまうことではないだろうか?

望楼守の生思考

イノベーション。

マクロで見れば資本主義経済の成長ドライバーであり、ミクロで見れば企業が競争を制する、あるいは変革を遂げる切り札であり、ビジネスパーソンであれば誰しも成し遂げたいと切望するものでしょう。今日のような低成長の経済環境下においては、「イノベーション」という言葉が魅力的に響くようで、さまざまなメディアで見聞きするようになります。

しかし、実際にはイノベーション起こることは稀です。それは当たり前の話で、イノベーションとは、一見不可能に見えるものをブレイクスルーした結果、生まれるものだからです。そもそも不可能とも思える難問に挑戦する人がそもそも少ないし、その難問を乗り越えられる人はほんの一握りでしょう。

特に、現在のような経済が停滞している中では、人々(そしてその人間の集まりである企業)は、守りに入ってしまう傾向があるようで、チャレンジがよけいに少なくなる気がします。(経済が停滞しているからチャレンジが減るのか、チャレンジが減るから経済が停滞するのか、どちらなのかは分かりませんが・・・)

では、イノベーションを成し遂げるためには何が必要なんだろう。イノベーションに関しては、経営学の世界で数多くの研究がなされていますが、少なくとも、理想が必要なことは間違いないと思います。

 

皆さんは何か目標を立てるとき、どのように立てているでしょうか?

目標のたて方には2つのアプローチがあります。ひとつは積み上げ型。例えば、次のような考え方です。今日できることはコレコレだから、一ヶ月で出来ることは、これくらいだろう。ってことは、一年間に出来ることは、その12倍のこれくらいかな。

これは一見現実的な目標の立て方に見えますが、このような目標の立て方では、イノベーションはむずかしい。なぜなら、そこにはブレイクスルーの必要性がないからです。

では、もうひとつの目標の立て方、それはまずはじめに理想を考えることです。現実はひとまず横においておいて、理想の数字、理想の姿を想像します。もちろん、一見それは実現不可能なものでしょう。しかし、そこには実現するための阻害要因が存在するはずです。ここでなぜ実現不可能なのかを考え、その阻害要因をどうやったら取り除けるを考える。

その理想が高ければ高いほど、実現不可能であればあるほど、それをブレイクスルーしたとき、すばらしいイノベーションになるわけです、つまり、高い理想を求めるからこそイノベーションが生まれるのではないでしょうか。

 

 

しかし、理想を考える時に気をつけなくてはならないことがあります。それは、理想が夢想にならないようにすることです。では、(たとえ一見不可能に見えたとしても)ブレイクスルー可能な理想と、実現不可能な夢想を分かつものはなんでしょうか。

それは、しっかり頭を使っているか、目標達成のための方法を考え抜いているかということではないでしょうか?

例えばです。海王星に行く、という目標を立てたとします(10兆円の売り上げ達成でも、貧困の撲滅でもいいです)。この時、じゃあとりあえずとか言って、いきなりジャンプしてみたり、ロケットに乗って出発してみたりするようでは、その目標は夢想でしかありません。このようなアプローチでは、目標はおそらく達成不可能でしょう。

そうではなく、現実に今できること、やっていること、分かっていることをしっかりと踏まえて、その上で理想を現実化するためには何が阻害要因になっているか、どうすればその阻害要因を取り除けるのかを考える。このような、理想に対する(知的な)しつこさの有無が、理想と夢想を分かつのではないでしょうか?

もちろん、どんなに考え抜いても行動が伴わなければ、無意味・無価値ですから、走りながら考えることは非常に重要です。

どうありたいのか、どうしたいのかという理想・ビジョンをまず考える。そして、どうしたらそれが実現できるのか、それを考え抜き、実際にやってみて、さらに考えるを繰り返す。このようにして初めて、イノベーションは生まれるのではないでしょうか。アイディアはトイレで生まれるなんていいますが、なにもしない、ないも考えていないのにいきなりすごいアイディアが生まれるなんて、まずないですから!

 

以前、一橋大学の米倉誠一郎さんが言っていたことが強く印象に残っている。学校教育をどうするかについて、学ぶ量を増やすか減らすかを議論するんじゃなくて、今の100倍を半分の時間で身につけるためにどうするかを考える必要がある、とこんなようなことを言っていました。これが実現できたらイノベーションですよね!

望楼守の生思考キャリア

「仕事の思想」という本がある。

田坂広志さんが、「なぜ、我々は働くのか」というテーマを、思想、成長、目標、顧客、共感、格闘、地位、友人、仲間、未来という10のキーワードを通じて語る本です。この本を読んだのは大学生の時ですが、社会人になって数年たった今読むと、(当時とはまた違った)様々な気づきがあります。

以前、「僕が最高に仕事を楽しめる理由」というメルマガを紹介しましたが、ぼくは仕事に主体的に向き合い、はたらくことを楽しむためには、仕事観やキャリア観をしっかり持つことが必要不可欠だと思っています。

しかしです。現代は、その仕事観やキャリア観が持ちにくい時代なのかもしれません。

ここ10年ほどで、経済状況はめまぐるしく変わりました。景気動向は、新卒採用にダイレクトに反映しますから、今の20代~30代は就職氷河期から売り手優位の時代、そして今日の採用絞り込みといううねりを自分の体験、あるいは先輩・後輩、兄弟姉妹の喜怒哀楽として目にしてきたと思います。

そんな乱気流の時代を目にしてきた20~30代は、安定したキャリア、安定した生活というものは存在しないのではないかという不安をうっすら感じている世代なのかもしれません。

経済がこれから先安定的に成長する見込みがない。日本国の財政も悪化する一方で、年金もそのうち破綻するんじゃないか。老人たちが支配する国のなかで、自分たちは搾取される立場だ。多くの若い人の中には、外部環境たる社会に対して、そんなイメージを持っている人もいると思います。

頑張れば報われるというイメージが持てない中で、そもそも終身雇用を期待していないし、何のために働くのかという問いに、答えを見いだせない人も多いのではないでしょうか。また、そもそも働くことに対して大した意味を見いだせない人もいると思います。

乱気流の時代、先の見えない時代においては、外部環境に身を任せるわけにはいかない。自分で進むべき方向を決めるためには、自分自身の仕事の思想が大切だと思うんだよね。この本は、自分だけの仕事の思想を考えるときの一助になると思う。

それでは、今週も働くを楽しんでいきましょう! 今年も残りあとわずか、悔い残さないよう最後まで全力で走りきろう。(風邪には気をつけてね)

(あれ、どのへんが100の理由なの? てへv)

 

望楼守の生思考

宇宙はいつから存在するのか?

世界はどのように誕生したのか?

多くの神話、多くの宗教が世界の始まりに触れている。時間が不可逆である限り永遠の謎とも言えるこの問いに、現在、科学はある解答を与えている。

ビックバン。

今日、まるで常識であるかのように一般に信じられているこの概念の裏には、数多くの科学者の苦闘と挑戦、そして栄光と挫折があった。

 

星の正体。

夜空を見上げると、そこには満天の星がある。私たちは、それが燃えさかる巨大な球体、恒星であることを知っている。

天動説と地動説。

私たちは、そのどちらが正しいのか知っている。

アンドロメダ星雲。

ちょっと調べれば、それが地球から230万光年離れた銀河であることが分かる。

 

だが、科学者はどのようにそれを知ったのだろう。人類の宇宙に対する理解は古代にさかのぼる。ギリシア時代にはすでに、地球と太陽の距離が計測されていたと言ったら、驚くのではないか。人類の宇宙への探求は実ははるか古代から始まっていた。その遙か昔から、多くの有名無名の天才たちが探求を続けてきた。そして現在も、、、ビックバンモデルはあくまでも、宇宙創成の有力モデルであって、唯一絶対の解答ではない。

ガリレオ、コペルニクス、ケプラー、アインシュタイン、ハッブル、ホーキンス。彼らの名前は知っていても、その業績、そして彼ら自身については、どれだけ知っているだろう? この本は、古代から20世紀末の大発見であるビックバンモデルにいたる宇宙創成論の発展にまつわる数多くの人間ドラマの物語である。

サイモン・シンの本にはハズレがない。

本書の著者のサイモン・シンは、「フェルマーの最終定理」「暗号解読」につづいて、興味深くそして奥の深い科学についての話題を、そこにからむ人間たちのドラマを軸に、読者にわかりやすく、そしてなによりも非常にエキサイティングに語ることに成功している。ページを開けば、この「物語」に引き込まれること間違いなしである。「ビックバン」って言葉くらいは知ってるけど、、、という人のためにこの本は書かれている。

 

今回は、「Pathfinder’sセレクト」(またの名を「らすちー文庫」)と銘打って、我が家の本棚の中にある至高の一冊を紹介しました。この本、ホント超オススメ! (次回は何を紹介しようかなぁ~)

 

望楼守の生思考

いま、多くの企業がビジョンや理念を組織に浸透させようと取り組みを始めている。グローバル化やダイバーシティ、そして組織のメンバーの価値観の多様化は、組織としての共通認識を持ちにくくしているのかもしれない。

共通認識、ビジョン、理念、クレド、バリュー。

J&Jやリッツなどのすばらしい成功事例を取り扱った書籍は本屋に溢れている。また、社内のコミュニケーションを図るさまざまな手法も、コンサルティング会社によって開発されている。

しかしである。

社内のコミュニケーションを活性化させて、シェアード・ビジョン(バリューでもなんでもいい)を作り上げましょうという、動きに対して、少々ひっかかるものがる、というのが正直なところだ。

ミドルからの変革、ミドルアップダウン、個々人が組織のビジョン形成に貢献する。そういった考えはもっともだし、その前提となっている多様性や組織と個人の関係の変化、組織の境界のあいまい化などにも賛同できる。だが、そこから透けて見えてくるのは、リーダーシップを失ったトップの姿である。

「かつてのようなリーダーシップは機能しない」
「サーバントリーダーの時代だ」
「連帯から生まれるリーダーシップが求められている」

このような、リーダーシップを失ったトップを慰める言葉は溢れている。このような、リーダーシップの放棄を正当化する言葉が溢れている。しかし、本当にそうだろうか。多様性なんて言ったら、アメリカはずうっっっっっと前からダイバーシティマネジメントに溢れていた。

失われた10年と言われ、失われた15年と言われ、そして衰退国家とささやかれ始めた日本。その現実の前にはどのような言い訳も通用しないのではないだろうか。(そもそも言い訳がいいわけないのがトップでしょ?)

組織の問題の原因は最終的には、トップに帰する。あらゆる成熟企業は(そして成熟社会も)、スピードの欠如、新陳代謝の低下、官僚化、部門間の閉塞性などの病理に見舞われる。その結果、多くの企業は衰退し、新興企業がそれに取って代わる。

変革は容易ではないし、変革を行える人間は稀である。GEを変えたウェルチ、IBMを建て直したガースナー。そのような人間は稀だからこそ、変革リーダーによる変革はメシア待望論として退けられる。

しかし、変革は容易なことではなく、変革を行える人間は稀なのだ。そして、変わらないければ、神々の黄昏よろしく組織は消え去るしかない。(巨大企業であれば、その資産を食い潰すまでは生き永られるが。。)

多様性からの連帯。
これを生むのは、トップの力量しだい。

三枝匡が「経営パワーの危機」の中で、日本企業の経営者人材の枯渇、トップのリーダーシップの欠如に警鐘を鳴らして15年以上がたつ。しかし、多くの日本企業の多くは、未だ、その課題を克服できていない。