「仕事の思想」という本がある。
田坂広志さんが、「なぜ、我々は働くのか」というテーマを、思想、成長、目標、顧客、共感、格闘、地位、友人、仲間、未来という10のキーワードを通じて語る本です。この本を読んだのは大学生の時ですが、社会人になって数年たった今読むと、(当時とはまた違った)様々な気づきがあります。
以前、「僕が最高に仕事を楽しめる理由」というメルマガを紹介しましたが、ぼくは仕事に主体的に向き合い、はたらくことを楽しむためには、仕事観やキャリア観をしっかり持つことが必要不可欠だと思っています。
しかしです。現代は、その仕事観やキャリア観が持ちにくい時代なのかもしれません。
ここ10年ほどで、経済状況はめまぐるしく変わりました。景気動向は、新卒採用にダイレクトに反映しますから、今の20代~30代は就職氷河期から売り手優位の時代、そして今日の採用絞り込みといううねりを自分の体験、あるいは先輩・後輩、兄弟姉妹の喜怒哀楽として目にしてきたと思います。
そんな乱気流の時代を目にしてきた20~30代は、安定したキャリア、安定した生活というものは存在しないのではないかという不安をうっすら感じている世代なのかもしれません。
経済がこれから先安定的に成長する見込みがない。日本国の財政も悪化する一方で、年金もそのうち破綻するんじゃないか。老人たちが支配する国のなかで、自分たちは搾取される立場だ。多くの若い人の中には、外部環境たる社会に対して、そんなイメージを持っている人もいると思います。
頑張れば報われるというイメージが持てない中で、そもそも終身雇用を期待していないし、何のために働くのかという問いに、答えを見いだせない人も多いのではないでしょうか。また、そもそも働くことに対して大した意味を見いだせない人もいると思います。
乱気流の時代、先の見えない時代においては、外部環境に身を任せるわけにはいかない。自分で進むべき方向を決めるためには、自分自身の仕事の思想が大切だと思うんだよね。この本は、自分だけの仕事の思想を考えるときの一助になると思う。
それでは、今週も働くを楽しんでいきましょう! 今年も残りあとわずか、悔い残さないよう最後まで全力で走りきろう。(風邪には気をつけてね)
(あれ、どのへんが100の理由なの? てへv)