望楼守の生思考人材育成

ダイエットをしよう
プールに通おう
英語を勉強しよう

こんな目標を立てた経験がある人は多いと思いますが、なかなか続けるのは難しいのではないでしょうか。具体的に達成目標を立てたとしても、それを達成するまで出来なかったこともあるのではないでしょうか。人間だもの、しょうがないよね。

実はコレ、会社組織内でも同じようなことがおこっている。企業において、だいたいみんな「しなくてはならない」ことっていうのは理解しているものだと思う。そして、色々と試みているのだと思います。しかし、それが長続きしないのが現実ではないでしょうか。

例えば、人材育成の観点から見れば、ある程度の人材には、なるだけ権限委譲を行って、エンパワーメントを進めた方が、成長を促進できるケースは多い。部門、あるいはチームに、自分たちで目標を立てさせ、自律的に動くことが出来るようになることを期待する。

しかしである。実際にエンパワーメントをしてみても、エンパワーメントした本人(社長や部長など、組織の規模によっても様々だろうけど)からすると、どうも頼りないし、危なっかしい。その結果、手や口を出したり、委譲した権限を取り戻してしまう。

そうなると、エンパワーメントされた側も「なんだよ、結局社長は口ばっかりで、最終的には全部ひっくり返しちゃうじゃないか」などと、腐ることになる。

なんだかんだいって、全部自分でやらないと気がすまないんだ、と社長や部長なんかを非難するのは簡単だけども、ビジネスだもの、そのプロジェクトの進捗いかんで会社の業績が左右されるかもしれないのだから、介入してくるのは当然とも言える。

ダイエットも、権限委譲、あるいは組織変革も続けるのは大変なのだ。じゃあ、そんなときどうすればいいのか。そのヒントは「ファシリテーター」である。

ファシリテーターときくと、会議の円滑な進行役というイメージを思い浮かべるかも知れないが、それはファシリテーターの仕事のひとつに過ぎない。実際のファシリテーターの役割は、プロセスをデザインして、みんなの意識をまとめあげて、成果をあげることを支援することだ。つまり、プロジェクトマネージャーの役割に近い。

先ほどのエンパワーメントの話に戻すと、権限委譲する側とされる側の間に、ファシリテーターを置いてみる。たとえば、担当部長だとか、副部長だとかにその役目をお願いしてみる。(これは明示的にお願いする場合もあれば、そのような役割を果たしてもらえるようにこっそり裏からあやつる方法がある。)

そして、彼らにプロジェクトのファシリテート、すなわちプロセスのコントロールを支援してもらう。つまり、優先して取り組むべきものはこれでいいのか、向かうべき方向、スピードはこれでいいのか、そんなところを客観的にみてもらいフィードバックをしてもらう。また、エンパワーメントした社長や部長がしびれを切らさないように、進捗状況を随時共有する。こんなことが必要なんじゃないだろうか。

周りのリソース(上司、同僚)をうまーく使うのも能力のうちですよ、と。

 

え、そんなファシリテーター役はいないって? だったら、自分がその役目をこなすしかないですよね。エンパワーメントする側がファシリテーターだったり、コーチであれば最高だけども、実際はそれって難しい。(直接の利害関係者には、アラがすぐに目についてしまうものなのだ。)それなら、エンパワーメントされる側(つまり自分自身)が、プロセスコントローラーとして、チームに貢献して、チームの成果を高めて、上長の期待に応えるしかない。つまり、それってリーダーシップを発揮しろってことですよ。