望楼守の生思考

宇宙はいつから存在するのか?

世界はどのように誕生したのか?

多くの神話、多くの宗教が世界の始まりに触れている。時間が不可逆である限り永遠の謎とも言えるこの問いに、現在、科学はある解答を与えている。

ビックバン。

今日、まるで常識であるかのように一般に信じられているこの概念の裏には、数多くの科学者の苦闘と挑戦、そして栄光と挫折があった。

 

星の正体。

夜空を見上げると、そこには満天の星がある。私たちは、それが燃えさかる巨大な球体、恒星であることを知っている。

天動説と地動説。

私たちは、そのどちらが正しいのか知っている。

アンドロメダ星雲。

ちょっと調べれば、それが地球から230万光年離れた銀河であることが分かる。

 

だが、科学者はどのようにそれを知ったのだろう。人類の宇宙に対する理解は古代にさかのぼる。ギリシア時代にはすでに、地球と太陽の距離が計測されていたと言ったら、驚くのではないか。人類の宇宙への探求は実ははるか古代から始まっていた。その遙か昔から、多くの有名無名の天才たちが探求を続けてきた。そして現在も、、、ビックバンモデルはあくまでも、宇宙創成の有力モデルであって、唯一絶対の解答ではない。

ガリレオ、コペルニクス、ケプラー、アインシュタイン、ハッブル、ホーキンス。彼らの名前は知っていても、その業績、そして彼ら自身については、どれだけ知っているだろう? この本は、古代から20世紀末の大発見であるビックバンモデルにいたる宇宙創成論の発展にまつわる数多くの人間ドラマの物語である。

サイモン・シンの本にはハズレがない。

本書の著者のサイモン・シンは、「フェルマーの最終定理」「暗号解読」につづいて、興味深くそして奥の深い科学についての話題を、そこにからむ人間たちのドラマを軸に、読者にわかりやすく、そしてなによりも非常にエキサイティングに語ることに成功している。ページを開けば、この「物語」に引き込まれること間違いなしである。「ビックバン」って言葉くらいは知ってるけど、、、という人のためにこの本は書かれている。

 

今回は、「Pathfinder’sセレクト」(またの名を「らすちー文庫」)と銘打って、我が家の本棚の中にある至高の一冊を紹介しました。この本、ホント超オススメ! (次回は何を紹介しようかなぁ~)