望楼守の生思考教養としての財務と会計

社会人になる直前、あるいは実際に会社で働くようになってから、少なからぬ人が会計、財務、経営分析など、呼び方は異なれど企業を財務諸表の数字で捕らえることができるようになりたいと思うようです。実際、書店には多くの会計、財務、ファイナンス、決算書、財務諸表という言葉の入った書籍が並んでいます。

しかし、なにかを学びたいということは、多くの場合、分からないからこそ学びたいと思うわけですが、よく分からないものを学ぶことほど、難しく、辛く、非効率で、かつ無謀なことはありません。

そこで、教養としての財務と会計と銘打って、ザイム(あるいは会計、ファイナンス、まぁ呼び方はなんでもいいです)を学ぶはじめのゼロ歩目に知っておくべきこと、考えておくべきことについて書いてみようと思います。(もちろん、異論反論はあるでしょうが)

 

さて、いわゆるザイム(その定義はとりあえずおいておきます)ですが、その範囲は広大です。それはもうまるでネットの海のよう。。。優れた書籍、学ぶべき書籍はたくさんありますが、膨大故に、なにを、あるいは何から読めばいいのか、わかりにくいのではないでしょうか。

そのため、学びを始める前に、自分が学びたいこと、学ぶ対象をはっきりさせる必要があります。それは同時に学ばないことを明らかにすることでもあります。そして、もちろん学ぶ対象をしぼるためには、その学びの目的をはっきりさせる必要があります。

なぜ自分は、ザイムを学ぼうとしているのでしょうか?

そうした目標を明確にしないまま、あるいは学ぶものを理解しないまま、とりあえず、で始めることは非常に非効率です。

みなさんがザイムを学びたい、ファイナンシャルリテラシーを高めたいという目的はなんでしょうか。ちょっと考えてみて下さい。なぜなら、それが異なればおのずと、学ぶべきこと、役立つ本は変わってくるのですから。

  • 日経新聞に出てくる言葉が理解できるようになりたい
  • B/SとかP/LとかC/Sとか、とりあえず何が書いてあるのか知りたい
  • 株式投資をしたいので、ファイナンスの知識が欲しい
  • 会計士になりたい
  • 証券アナリストになりたいんです
  • 取引先の与信調査をしなくっちゃならない
  • 財務数値を使って、自社の利益を改善したい
  • 粉飾決算を見抜きたい
  • バフェットに克つ
  • 会計数値の変化から、その企業で何が起こっているのかを見抜きたい

どうでしょうか。えっ、そもそも自分が学びたいって思う理由もよくわからん? まあそういう人もいるでしょうねw 次回か次々回には、ザイムの定義とその全体像を示してみたいと思います。そうすれば、この分野を学びたいという気になるものが、すこしは明らかになるのではないでしょうか?