望楼守の生思考キャリア

前回のエントリーで民主党のビジョンの欠如、成長戦略の欠如について触れたが、これは政治の世界に限らず日本全体の問題なんじゃないかと思います。

トップダウンとなる日本国の成長戦略
ミドルアップダウンとなる企業の成長戦略
ボトムアップとなる個人の成長戦略

政治が悪い、な~んて言っても、それで問題は解決するわけがなくて、まずはやれることからやる必要がある。そこで、今回はボトムアップとなる個人の成長戦略について、考えてみたい。

個人の(といっても主に若手ビジネスパーソンを念頭に置いてます)成長戦略というとキャリア論の話にもなるのだが、成長戦略欠如の最大の問題点はロールモデルの欠如ではないでしょうか。

価値観の多様化やOJT/徒弟制の崩壊、乱気流の時代とも言われる大きく変化し続ける環境は、身の回りで目指すべき目標となるロールモデルを持つことを難しくしているように思います。(仕事なんてクソだ!って思ってる人は、そもそもロールモデルを欲しいとも、成長したいとも思ってないでしょうが。)

また、ロールモデルの欠如とも関連するけれど、めまぐるしく環境が変化する一方で、様々な情報が溢れている中で、何を学んだらいいのか、どんな能力を身につけたらいいのか、将来のために今何をしたらいいのかが分からないという問題があるのではないでしょうか。

本屋に行けば、ビジネス書が溢れるように並んでいる。ビジネス雑誌には次から次へとスキルが紹介される。ただ、どんなスキルもツールにしか過ぎない。使う力と使う場がなければ、どれだけたくさんのビジネススキルを学んでも単なるビジネススキル評論家にしかなれないのではないか。そもそも、ビジネス本や勉強法の本を読んで、仕事が出来る人/勉強が出来るようになった人って世の中にどれくらいいるのかな。

このように先の見えない一方で、広がる(とマスコミで報道されている)格差、一人歩きしている感のある「勝ち組負け組」という言葉は、成長への焦りと将来への不安を増大させている気がします。

むろん、今日の日本の状況は危機的状況なわけで、健全な危機感は必要だと思う。けれど、生き残りへの不安と焦りの中で成長の道筋が見いだせないというのは、キャリア形成の上でも、人生の上でもとても大切な「はたらくをたのしむ」ということを不可能にしてしまうと思うんだよね。

ただ、はっきりと認識しておかなければならないことは、日本という国はいまフロンティアにいるってこと。フロンティアには、先行者はいない。自分で道を切り拓いていかなければならない。キャリア形成でも同様で、人はそれぞれその人なりのユニークな人生を歩まざるをえない。他人の後に道はない。

じゃあ、ユニークなキャリアってどうすればいいのかって話だけど、まず始めに必要なことは、自分の強みを知る。これがスタートになるんじゃないでしょうか。そして、その強みを踏まえて、自分のこれまでの経験や興味、もちろん特技を掛け合わせて、自分だけの成長戦略を描いていくしかないんじゃないのかな。

 

  • いま自分はフロンティアに立っている(追いかける相手はいない)
  • キャリアはかけ算

この2つを念頭に置いて、悩み迷いながら人生を切り拓いていくしかない。それを後から振り返ったとき、成長したって思えるんじゃないかな。

Make your life extraordinary!