望楼守の生思考Pathfinder

ゲーテの「ファウスト」第2部の第5幕(最終幕)で望楼守リュンケウスは
ファウストの館の望楼で朗々と歌う。

Zum Sehen geboren
Zum Scauen bestellt
見るために生まれ
物見の役を仰せつけられ (高橋義孝訳)

20世紀を代表するThe Best & The Brightestのひとり、
故ピーター・ドラッカーはこの言葉を引用して
社会生態学者である自らをこの望楼守にたとえた。

社会生態学者は、変化してゆく社会の本質をつかみ、
まだ誰も気づいていない変化の兆しを見い出す者である。

彼によるとSocial Ecologist(社会生態学者)は、
社会を分析するのではなく、その在り様をただ観察するだけである。

部分をいくらあつめても全体にはなりえない。
だから、社会の一部分を切り取り分析するのではなく、
変化する社会を全体としてとらえるのだという。

分析は事象をフレームワークに沿って切り分け、不要なものを切り捨てる。
ある事象をふるいにかけ、相対的に大きいものを残し、小さいものを捨象する。

しかし、残ったものにその本質があるとは限らず、
捨て去ったものの中にこそその本質があるかもしれない。

まだ誰も知らない変化の兆しは、その時切り捨てられてしまう。
それゆえ、社会生態学者は、分析をするのではなく、観察をするのだろう。

Pathfinderとは、先の見えない時代において、
道なき道を自らの手で切り拓く者だ。

そのためには、Social Ecologistの眼で世界を見る必要がある。

望楼守の生思考Pathfinder

20世紀後半に起きたベルリンの壁崩壊、そしてソ連崩壊は、
人々に対立の時代の終わりと新たな世界秩序による平和を
もたらしたかにみえた。

しかし、中東での紛争やアフリカでの民族対立や虐殺といった悲劇を、
人類は20世紀のうちに終わらすことは出来なかった。

そして、新しい世紀、新しいミレニアムを迎えたばかりの2001年9月11日、
唯一のスーパーパワーとなったアメリカ合衆国の中枢をテロが襲った。

この出来事をはじめ、21世紀に入り約10年間の間に、ITバブルの崩壊、
エンロンやワールドコムといった巨大企業の倒産、金融工学の発達と
ヘッジファンドの台頭、そしてサブプライム問題とリーマン・ブラザース証券の
破綻をきっかけとした世界的な不況という様々な出来事を経験した。

21世紀は、これまでの常識が通用しない未知の世界だ。
何が起こるのか誰にも分からない。

そんな先の見えない時代において、お手本や答えはどこにもない。
道なき道を自らの手で切り拓いていかなくてはならない。

Pathfinderとは、そんな誰も正しい答えが分からない中で、
自分なりの世界観とファクトベースの分析、そして自らの直感によって
自分の進むべき道を見いだすことが出来る人間のことだ。

望楼守の生思考

少年易老学難成
一寸光陰不可軽
未覚池塘春草夢
階前梧葉已秋声

一寸の光陰、軽んずべからず。

時というものは非情なもので、どんなに泣きわめこうと決して待ってはくれない。
それは所与のものとしてこの世に存在するあらゆるものに平等に与えられたものであり、
どれだけ足掻こうとも「死」と同じで人の手ではどうすることも出来ない。

ぼくが生まれてから30年が経ち、歴史が新しいミレニアムに突入して既に8年が経過した。
21世紀のこれまでを振り返ると、多くの偉大な人達がこの世を去ったことを思い起こさせられる。

ルチアーノ・パヴァロッティ

クラシック界を代表するスーパースターもその一人だ。
そのパヴァロッティが亡くなった時、インド出身の著名な指揮者であるズービン・メータは
次のようなコメントを残した。

ルチアーノの魂と素晴らしい声にとっての
新しい人生が今日始まる。
この瞬間にも彼の声は全世界を魅了し、
テレビやラジオがその姿を伝える。
記憶は永久に消えない。

He was gone now, but he left the great legacy for us.

自分もいつか、同じように死ぬ時が来る。
いつかぼくがこの世を去る時、ひとを魅了したり感動させたりすることができる
自分のachivementやlegacyはあるんだろうか。
そんなことをふと考えた。

いや、でも変に気負う必要なんてない。

マザーテレサのように、生涯を他人のために捧げる必要なんてないし、
ナポレオンのように、世界を変革する英雄になる必要も無い。

自分は自分自身にしかなれないのだから、
あるがままの自分と一緒に、これからもずっとずっと歩んでいこうと思う。

良心や義務感にかられ、自分に嘘をつき無理をするのではなく、
あるがままの自分をしっかりと見つめ、受け入れたいと思う。

他人の賞賛や愛情で、自分自身の価値を計るのではなく、
自分自身が自分をどう思っているのかを大切にし、
自分が他人に何が出来るのか、何をしたいのかを考え続けたい。

他人との比較の中で生きたり、
他人の達成を羨み、それを凌ぎたいという誘惑に屈することなく歩み続けたい。
他人(ひと)は他人、自分は自分。
ぼくは自分の人生を歩みたい。

いつだって、Integrityをドライブにして情熱と挑戦を忘れずに生きていこうと思う。
そうすればきっと、"make my life extraordinary"(人生はすばらしいものになる)

 

ぼくは世界を変えたい。
貧困と絶望と悲しみに満ちた世界を変えたい。
世界中の人を幸せにしたい。

けれど自分は神ならざる身、人間なんだ。
一瞬ですべてを変えることは出来ない。
だから、ひとつひとつ自分が出来ることを大切にしたい。

もしも、そうして自分が関わった人の誰かひとりにでもポジティブな影響を残せたら、
それが短い人生でもいいものだよね。
それが、いつか世界を変える流れを作る一助になるって信じたい。

To tame the savageness of man and make gentle the life of this world.

 

 

時は非情なものだ。
過去はどうすることも出来ないし、
未来がどうなるかは誰にも分からない。

ぼくがこれまで歩んできた昨日たちは、たくさんの失敗と愚行に満ちている。
ぼくがこれから歩もうとする明日たちは、未知の脅威と危険でいっぱいだ。

でも、、、

昨日までの日々は、もうぼくの手に届かないところへ永久に過ぎ去ってしまった。
そして、ぼくは未知の明日を前に、どこにあるか分からない落とし穴におびえるのではなく
また到達していない、遥か彼方の目標を見上げたい。

過去はどうすることも出来ないし、
未来がどうなるかは誰にも分からない。

ぼくに出来ることはただ一つ。
今この瞬間に何をするか決断し、行動するだけ。

The Choice

その選択の積み重ねがこれからのぼくの人生をかたちづくる。

望楼守の生思考

5月18日、ライフネット生命保険株式会社は開業1周年を迎えた。
(ライフネット生命の皆さん、おめでとうございます!)

ところで、わたくし、ライフネット生命とは、(もしかしたら浅からぬ?)縁がある。
 

まず第1に、ライフネット生命が開業した当時、ぼくはこの会社の出資先のうち2社の株主であった。つまり、ルックスルーして考えると、ぼくはライフネット生命(とネットライフ企画)の出資者なのである。(えっへん!)
 
もっとも、ぼくの出資割合(?)は、計算上シックスシグマより小さくなるだろうけど。。。
 
 
第2に、まだライフネット生命が企画会社(当時の社名は「ネットライフ企画」)だった頃Focus Group Interviewに参加したことがある。つまり、今日のライフネット生命はぼくのアイディアに基づいている(かもしれない)のだ。
 
ライフネット生命の創業メンバーの1人である岩瀬さんのBlogは、彼がハーバード大学のビジネススクールにいる頃から愛読していたのだが、そこで新しい会社立ち上げるからブレストしようという記事を見たのがきっかけだった。
 
愛読しているBlogの主に会いたかったミーハーなぼくは、すかさず応募した。未来の日本経済を担うベンチャー企業の手助けをしたいという想いもあった。決して謝礼につられたわけではない。当時は生命保険と損害保険の違いすら知らなかったので、このFGIに参加するために(恥をかかないよう)、生保会社出身のM部長に生保とは何ぞやとネットで生保が売れる可能性などをレクチャーしてもらった。が、結局よく分からなかったので、世の中のおそらく大多数である"生保について何も知らない人"として参加すればいいやと開き直ることにした。
 
FGI当日、当時溜池山王にあったオフィスに行って、ちょっぴり驚いた。資本金の額(確か5千万円)からすると驚く程こぢんまりとしていたからだ(オフィスの端から端まで歩いて5秒くらいの広さだ)。そして、交換した名刺の岩瀬さんのメアドはGmailだった。。。
 
FGIではディスカッションに貢献できたという記憶はない。おそらくあれがHBSのクラスであったら落第だったろう。けれど、そんなことは棚にあげ、ぼくは丁度出版された岩瀬さんの著書「ハーバードMBA留学記」をサイン入りでねだった。そんな役立たずで図々しい参加者のぼくに、岩瀬さんは後日サイン本を送ってくれた。(いまでも大切にしてます。その節はありがとうございました)
 
ところで、当時知人が、保険のネット代理店の立ち上げに携わっていた。そこで、ぼくは図々しくも、「知り合いがネットで保険の代理店をやってるんで紹介しましょうか?」などと申し出た。
 
これが、あんなことになるなんて、当時のぼくは想像だにしていなかった。。。
 
 

第3に、なんとぼくはライフネット生命に優秀な人材を(知らぬ間に)供給していたのだ。

FGIの際、岩瀬さんにネット保険代理店に携わる知人を紹介したのだが、その後、彼らは会う機会を持ったようだ。その際、その知人の同僚であるYさんも同席したらしい。東大の理系院卒のYさんとは、何度かお茶や飲み会で一緒したことがあるが、スマートな印象の人だ。(そして、奥さんに頭が上がらない、かわいらしい人だ)

そして、ずいぶん後になって、その知人からYさんがライフネット生命に移ったことを聞いた。驚いた。これって、おれが岩瀬さんとYさんの出会いを演出したってこと?! リクルートエージェント並の紹介料をせびろうと思ったが、HBSのベイカースカラー様のサイン入り著書(初版)の代金としてそれ以上の額を請求されたらたまらないのでやめた。

話はそれだけに終わらなかった。。。

ライフネット生命が開業して暫くしてからのことである。たまたま機会があって、ぼくは半蔵門にあるライフネット生命本社を仕事で訪れた。そこで、とある社員の方と話していたのだが、雑談の中でその方がとある消費財メーカーから転職してきたことを知った。実はYさんも、その消費財メーカー出身である。そのことに触れると、「わたし、Yさんの誘いでこの会社きたんですよ」だって。。。

な、なんだってー?!

北京の蝶の羽ばたきが、NYのハリケーンを生むとはこのことだ(なんのこっちゃ)。ああ、おれの軽率な行動が前途有望な2人の優秀な人間の人生を狂わせてしまったのね、、、そんなことを思った。いや、2人分の紹介料をどうやって貰おうか考えていたかもしれない。

このように、いわゆる経営資源のうち、金、知恵、人材という、最重要リソースであるこの3つを僕はライフネット生命に提供していたのだ。もはや、ライフネット生命はぼくの子供と言っても過言ではないだろう。

つまり、何が言いたいかというと、ライフネット生命1周年は、ちょっと他人事とは思えないくらい、嬉しいってことです!

ライフネット生命は、知名度はまだまだ低いけど、掲げる理念と扱っている保険商品には大変共感を持っています。みんなも、保険を検討する場合には、ライフネット生命を検討してみてはどうでしょう。
(FPのようなプロにも、高く評価されてるようですよ)

料金シミュレータ保険の基礎知識コーナーなど、とりあえずでもサイトに訪れる価値はあるかと。(料金シミュレータはいじってるだけでも楽しいよ)

というわけで、これを機会に、志バナーに協力することにします。とりあえず一番デカイバナーをはっつけよう。(↓)

ライフネット生命保険

ライフネット生命保険は、相互扶助という生命保険の原点に戻り、「どこよりも正直な経営を行い、どこよりもわかりやすく、シンプルで便利で安い商品・サービスの提供を追求する」という理念のもとに設立された、インターネットを主な販売チャネルとする新しいスタイルの生命保険会社です。インターネットの活用 により、高い価格競争力と24時間いつでも申し込み可能な利便性を両立しました。徹底した情報開示やメール・電話・対面での保険相談などを通じて、お客さまに「比較し、理解し、納得して」ご契約いただく透明性の高い生命保険の選び方を推奨し、「生命(いのち)のきずな=ライフネット」を世の中に広げていきたいと考えています。

FGIの帰り、「便所掃除としてでもいいから、手伝わせて欲しい」そんなことを実は思っていた。
もし、この会社に参画していたらぼくの人生はどう変わっていただろう?(少なくとも、こうして人生のロンバケを楽しむことは出来なかったなぁ◎)
これまた、crossroad、、、だったのかな?

(追記)
縁はあれど、役には立てず、、、ですな。 (@´_`@)
 

 

望楼守の生思考

大学の先生のお誘いで、財務省の方が主宰する勉強会、政策懇談会に出席した。

外務省国際法局国際法課の方を講師(この政策懇談会のメンバーらしい)に、「外交と国際法」というテーマでお話し頂く。

国際法といえば、その昔大学に通っているときに国際法のクラスを取った。しかし、「国際法には国内法のような強制力が(あまり)ない」ということを知り、結局役に立たないってことか?と、国際法に対する興味を失ったことが思い出される。。。

しかし、外務省の法律顧問として、実務で国際法に関わる氏の話は、大変興味深かった。

例えば、政府としてはこんなことを主張したいという政治的な思惑に対して、国際法上そのような主張が許されるのかの検証を行い、場合に拠っては省内や他の省の官僚とのバトルが行われるという。。。

また一見、アメリカなどは国際法を無視し放題で、好き勝手なことをしているという印象があった。(国際法は役に立たないものというバイアスがあるから余計に。)

でも、実際には、アメリカ政府の(国務省や国防省の)法律顧問は、アメリカ政府の行動や言動のすべてに対して法律的な裏付け(強引な理屈付け)をしているらしい。つまり、(アメリカ政府としては)国際法は遵守しているというらしい。へぇ。

国際法、もう一度勉強し直してみよっかな。

望楼守の生思考

とりあえず色々カスタマイズ中。。。

小粋空間はすごーく参考になる。
まだまだ全然分からないことだらけだけど。。。